数学、ときどき統計、ところによりIT

理論と実践の狭間で漂流する数学趣味人の記録

正則条件付確率

条件付確率 P(\cdot\,|\mathcal{G})(\omega) について、それが確率測度になるか否かは自明ではありません。実際、A_{1}\cap A_{2}=\emptyset を満たす集合A_{1}, A_{2}\in\mathcal{F} に対して適当な零集合 N_{A_{1},A_{2}} が存在し

\begin{equation}P(A_{1}|\mathcal{G})(\omega)+P(A_{2}|\mathcal{G})(\omega)=P(A_{1}\cup A_{2}|\mathcal{G})(\omega),\quad\omega\in\Omega\setminus N_{A_{1},A_{2}}\label{eq:RCP:introduction}\end{equation}が成り立ちますが、もし P(\cdot\,|\mathcal{G})(\omega)\mathcal{F} 上の確率測度であるならば、任意の A_{1} , A_{2}\in\mathcal{F} に対して\omega は \eqref{eq:RCP:introduction}を満たす、つまり

\begin{equation*} \omega \in \Omega \setminus N,\quad N:=\bigcup_{A_{1},A_{2}\in\mathcal{F};A_{1}\cap A_{2}=\emptyset}N_{A_{1},A_{2}} \end{equation*} でなければなりません。しかし \mathcal{F} が非可算の場合、N が零集合になるとは限りません。それどころか、そのような \omega は存在しないかもしれません。

今回はこの問題について考えることにします。

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2 値判別問題

入力値に対してラベルを割り当てて複数のグループに振り分ける問題を判別問題と言います。特に 2 つのグループに振り分ける問題を 2 値判別問題と言います。例えば迷惑メールの振り分けは 2 値判別問題の典型例です。

今回は 2 値判別問題を機械学習の枠組みで定式化します。

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